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純情/人情ヨーロッパ たかのてるこ 

純情/人情ヨーロッパ たかのてるこ 

今日は一味違う本をご紹介。21か国を文字通りハチャメチャに旅したエッセイ本です。元気がない時、元気がない方、ぜひ手に取ってみてください。

心の欲するままに、心の良くする場所へ旅をする「心の筋トレ」。このネーミング、いいですね。

ずっと日本社会の中だけにいると、私も閉塞感を感じてしまいます。日本の考え方や価値観はよいところもありますが、とても気をつかい、(空気を読んだり、言葉を選んだりしているうちに、それだけで疲弊して、へとへとになります)「こうすべき」が多くて、同調圧力が強くて、たかのさんの言葉を借りると「呪い」がはびこっているため、個性は没個性化してしまい人生観も縛られ、意見も言えなくしてしまう(意見を言ってしまう人間は干されるか杭を打たれる)。読みながら激しく共感しました。

21か国をたかのさんがめぐると、なんとも個性豊かな人たちが登場します。東京や長野で歩いていても、こんな会話成立しない!という(大阪では起こり得るかもしれませんが)・・・。たかのさんがこのノリで日本国内を旅していたら?!浮いてしまうかもしれません。

アメリカにしても、ヨーロッパにしても、オーストラリアにしても・・・さまざまな民族が共生する社会には、「寛容さ」や個を尊重する文化が備わっているな、と私も旅をしてきていつも思います。日本は、自分(たち)とは異なる人や意見をwelcomeなふりをして、陰でたたいたり、陥れたり、排除したり、、、。真の共生社会にはまだまだほど遠い。

それにしても、高野さん。私もバックパック旅行は何度かしましたが、ここまでハチャメチャな旅は勇気がありません。ヌーディスト・ビーチへ行って裸で闊歩してみたり(フランス)、スターリモスト(25mの高さの橋)から飛び込もうと、わずか1日のダイビングレッスンを受け、そのコーチに恋に落ちたり(ボスニア)。40歳を超えてやるか!というエピソードが満載です。

そんな彼女にも深刻なトラウマがあることも明かされており、順風満帆ではなかった人生が語られています。

21か国、それぞれ国や時代に翻弄されながら、一生懸命日々生きている人たちの姿が描かれていて、読んでいて元気をもらえる2冊でした。

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生きるうえで大切なこと -たかのさんからのメッセージ(抜粋)

人の一番のミッションは「生き延びること」

言い方を変えれば、「理想の場所を求めて旅立つ」前向きな生き方。心や体を壊すくらいなら、いのち最優先で、「苦しさの原因」から全力で逃げて(距離を置いて)理想の場所へ旅立ってほしいと願っています。

終わりがあるからこそ、人生は愛おしい。「死を意識すること」は、最後まで同自分らしく生きるか考え「今をせいいっぱい生きるために行動すること」につながる。

自分らしく生きて、自分自身を好きでいることが人生で何より大事。

 

「皆ルーツは同じなんだよ、仲良くできればいいのに」、というたかのさんの言葉通りにはいかない人間社会。戦争があっちでも、こっちでも続きます・・・。非常に悲しいことです。

「人はよい出会いに恵まれなければなかなか変わることはできない。それでも人は出会い次第で、いくらでも変わることができる」

悪い出会いが続くと、人間不信が助長し、よい出会いを見逃してるかもしれません。人が何を言ったか、人が自分をどう評価するかで一喜一憂するのではなく(そんなのは、日本社会や所属する組織や上司の価値観に基づく一評価です)、唯一無二の自分を好きになってあげて、自分をいじめないで、たかのさん流に言うと、自分をハグしてあげられたらいいですよね!