Articles Library title

読書の日記 阿久津隆

読書の日記 阿久津隆

エッセイならぬ日記を綴った本がブームだとか?本当かどうかはわかりません。664ページにもなる本書を手にしたのは、この装丁、厚み、紙質に一目惚れしたからなのですが、今日はこの本を紹介したいと思います。

 著者は本を読める・・読むための書店、fuzkueの経営者である男性。

この日記は、著者の、ただひたすら本を読む、カフェで、自宅で、、、店をオープンさせる、料理をする(お店で提供する、自炊の一環として創る)、煙草を吸う、ポテチを食べながら本を読む、眠る、

こんな繰り返しの日々が語られていて、文体は独り言めいている。

繰り返される日常。

大きな出来事、大きな変化がなくてよく、淡々と、粛々と。基本は、食べる、眠くなったから寝る、そして、また朝に目覚める生活。

このルーティン(本が中心にある)を読むことが、読み手の心に安定剤的な効果をもたらす。その理由について考えてみると、この本を少しずつ読み進めて、まるで中毒のように、手放せなくなっていることにハッとした時、なんとなくこの本を読むと気持ちが穏やかになる、自分のペースを取り戻せる(?)ためあろうか?と思いました。

リビングに、寝室に、車の中に持ち歩き、自宅で、カフェで、スタバで、車の中で「淡々と」読み続け、自分の生活にも何やらルーティンが生まれて、こんな感じで日々脈々と生きて、本を読んで、寝て、食べていいんだというような安心感を得られる。

(誤解を招かないようにしたいのですが、著者が暇なわけではありません)

「日々何か必ず生産しなければ、と仕事中心に生きている/生きてきた」ような人には、おすすめしたい本。

勿論、読書日記というタイトルどおり、多くの本が登場するので、知らない本にも出会えます。

IMG 2594

続編があと2冊あります。既に一冊購入済み。困るのは、分厚すぎて、本棚の場所を取ることでしょうか^^;

読書セラピーという言葉もあるように、私たちの協会では、読書もいのちを育むとても重要な具材の1つとして考えて、用いる予定で、そのための拠点を長野県や奄美大島で探しています。