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「自然欠乏症候群」という不調

「自然欠乏症候群」という不調

「寝つきが悪い」「集中できない」「疲れやすい」 「気持ちが沈む」 「気力がない」など、なんとなく不調で、心療内科を受診する方がとても多いことと思います。皆さんはいかがでしょうか?

いつも診療内科は予約者でいっぱいという状況。受診するともれなく、何らかの診断名がつきます。「抑うつ状態」 「適応障害のうつ状態」「うつ病」「非定型うつ病」「躁うつ病のうつ病相」etc. とにかく眠れること、食べられることが大切ですので、対処療法として薬が処方されることでしょう。安定剤、睡眠導入剤・・その種類は多く、様々です。多くの場合、環境要因が関連しており、本書「自然欠乏症候群」(山本竜隆著)ではその1つとして、「自然を欠いている」ことを挙げています。もちろん、メンタル面の不調だけではありません。生活習慣病といわれるものの発症にも、「自然」がかかわってます。

戦後私たちの生活スタイルは大きく変化し、自然から離れていきました。人間はこの地球環境で生きる一生物です。本書でも、「自然」には植物、水、海などの「自然環境」という意味だけでなく、人の中に自然があるとして、体内時計やホルモンのしくみを例として挙げています。地球の自転・公転活動(地球のリズム)と調和させることが、人間の健康にはとても大切だということです。

健康相談を行う時には、必ず体内時計とホルモンの分泌、自律神経(交感神経・副交感神経)の働きについて説明をします。単に「太るから夕食はごはんを食べない」「朝は時間がないからごはんは食べない」ではなく、この環境に生きる生物として、朝や夕に何が必要なのか?体のしくみを知ってから考えることが大切になります。それが、自然欠乏状態を考慮したセルフケアです。

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自然欠乏症候群で深刻な状態に陥る危険性の原因には「自然か足りないこと、不自然な状況に陥った事」があるといいます。人は本来自力で動ける範囲内で行動するのが自然なのに、電車などの機械で移動するのは不自然。添加物の入った飲料を飲むのは不自然。深い眠りの間(ノンレム睡眠)(夜11時頃~3時頃)に寝ないなどがあります。

人体をつかさどる自然のリズムを無視した生活をしていませんか?自然を取り入れて生活していますか?先程書きましたが、自然とは自然環境のことだけではありません♪

協会では、自然を取り戻し、自然との調和を図りながら、与えられたカラダといのちある限りつきあっていけるための拠点を、長野県北部につくる計画をしています。皆さんがそこで知識も得ながら、自然を五感で感じ、自然と調和できる取組みを行っていきたいと考えています♪