今日はこんな本をご紹介したいと思います。「それ、すべて過緊張です。」奥田弘美著。
「眠れない夜」の正体は、あなたの心と体が緩めないせいかもしれません。
夜、布団に入ってもなかなか眠れない。ようやく眠っても夜中に何度も目が覚める。朝起きても疲れが取れていない――。
そんな睡眠の悩みを抱えていませんか?
実はこうした不調の背景には、「過緊張」という状態が潜んでいることが少なくありません。
厚生労働省の調査によると、20代から50代の働く世代のうち、約4割が「睡眠の質に満足していない」と感じており、その中でも「入眠困難」「中途覚醒」「熟睡感の欠如」を訴える人が増えています。単なるストレスでは説明しきれないこの現象に、精神科医・奥田弘美さんが警鐘を鳴らしているのが本書『それ、すべて過緊張です。』(大和書房)です。
奥田氏は、現代人が日常的に「交感神経優位=戦闘モード」の状態で過ごしていることを指摘します。仕事のプレッシャー、スマートフォンの刺激、人間関係の摩擦――それらが心身を「緊張しっぱなし」にさせ、脳と身体がリラックスするタイミングを失っているのです。
この「過緊張」が睡眠の質を著しく損なうだけでなく、高血圧や高血糖のリスク因子となることが医学的にも明らかになっています。たとえば、慢性的な睡眠不足や不眠症は、交感神経の活動を高め、血圧を上昇させ、インスリン抵抗性を強めるといったメカニズムで、生活習慣病との関連が指摘されています。『それ、すべて過緊張です。』は、こうした「張りつめた現代人」に向けて、自分の状態に気づき、少しずつ緩める具体的な方法を教えてくれます。特徴的なのは、「がんばってリラックスしよう」とは言わないところ。むしろ、「がんばらないために、どう緩めるか」を丁寧に導いてくれる一冊です。

最近、40-50代の方の健康相談で、「睡眠の質」についての悩みがよく聞かれます。そして、特に男性に多いかもしれません。女性に比べてよく聞かれるのは、副交感神経を活性化させる生活の工夫を持ち合わせていなかったり(仕事・飲酒・喫煙以外のレクリエーション、リラクゼーションツール/アロマ・ハーブ・ヨガなどの活用etc.)、朝食抜きのために、自律神経をONに切り替え、体内時計をリセットすることがないといった生活習慣。過緊張を持続し、自律神経のバランスが乱れてしまう生活要素をたくさん持っているかもしれません。
夜、うまく眠れない理由が「仕事のせい」「年齢のせい」「疲れているから当然」だと思っている方にこそ読んでほしい。
もしかしたら、その不調の正体は「心と身体が脱力できない状態」、つまり過緊張なのかもしれません。
眠りの質は、健康と人生の質そのもの。あなたの夜を、今日から少し変えてみませんか?


